制作費の方向性

能瀬さんは16ミリフィルム作品「日日日常」のなかで
「16ミリフィルムは高い、
1分撮影するのに5000円かかる、
時給920円のアルバイトをしている僕は
そのために、5時間半、働かなければならない」
と言っている。
これに関するシロヤス先生の詩はこちら

私も高いフィルムを使っている。
撮影は特別である。しかし特別なものを撮るぞという風にはあまり気をいれないようにしている。
私にとってもあなたにとっても特別なようで何でもないようなものを撮りたいと思っている。
「いや、特に。」「いや、別に。」
そういう感じがいい。そういう時ってだいたい本当は気になっているのである。
そしてどんなに気を抜いても撮影というのはやっぱり特別なもので気になっているものを追ってしまうと思う。
気の向くままというのは特別なことなのだ。
気の向いた先にもっと特別にしてやろうと望む私がいてこの私がやっかいだなと久しぶりに気づいた。